中遠広域事務組合
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中遠昔ばなし

第1話   (みずあそびじぞうさま)
水遊び地蔵さま(森町)

水遊び地蔵さま(森町)

 むかし、森町の西の谷崎の村に、八右衛門というやさしい庄屋さまがおりました。
 ある夏の日、村はずれの小川で子供たちが雑魚とりをしているのを眺めていた八右衛門、その道端にいつも立っているお地蔵様がせき石にされているのを見てびっくり。
「こらこら、ばちがあたるぞ」八右衛門は、お地蔵様をきれいに洗ってもとの場所に据え、「二度としちゃいかんぞ」と子供たちを叱って帰りました。
するとその夜、八右衛門の夢に昼のお地蔵様が出てきて、「わしが子供たちと楽しく遊んでいたのになぜ邪魔をした」と叱るではありませんか。
 翌朝、八右衛門は目を覚ますと昨日の子供たちを集めて、「お地蔵様は、お前たち子供が好きなそうだ。これからも仲よくやってくれよ」と、お菓子をくれてやりました。子供たちは大喜び。お地蔵様とまた遊び始めました。その後、このお地蔵様は『水遊び地蔵さま』と呼ばれ、子供を守るお地蔵様として皆がお参りに来るようになりました。

(森町教育委員会発行「森町ふるさとの民話」より)

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