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第3話 | (きつねにだまされたかわりょうし) 狐にだまされた川漁師(福田町) |
昔、福田町小島に平助という男がいて、川魚を捕まえて、朝早く魚屋に売りにいくことを仕事にしていました。 その朝も、どじょうを詰めた籠をかついだ平助が、魚屋へ向かっていると、とある用水路からザアザアという音が聞こえてきました。あたりは人気もなく、昼でも薄気味悪いところ。よく耳を澄ますと、水音は、堀の2ヶ所をせき止め、中の水をかいだして魚を捕る“かえどり”の音のよう。「こんな朝早くから妙だな」平助が用水堀まで行ってみると、人影はなくかえどりの音もいつの間にかやんでいます。おや、と思った瞬間、目の前の暗闇の中で白いものが翻り、東へ飛んでいきました。籠を覗くと、どじょうはいなくなっています。そして明け方と思っていた明るさは、中天の月光だったと気がつきました。「やれやれ、狐にやられたのう」平助はそうつぶやいて家に戻り、本当の夜明けまでまたひと眠りしました。 (「年中行事と昔ばなし」より) |
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