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第14話 | (うつくしきおんなこびき) 美しき女木挽(竜洋町) |
明治の中頃、ある日、信州木曽谷に掛塚生まれという美しい姉妹の木挽(きこりのこと)があらわれました。女というだけでも珍しいのに、この2人が男顔負けの腕の良さ。木挽の命といわれるのこぎりの刃の目立てに3日間没頭すると、4日目には驚異的な早さで松の板を挽き、まわりをあっと言わせました。 この仕事ぶりに心を引かれたのは、独身の男木挽たち。我先にと美しい姉妹に求婚すると、「私たちより一枚でも多く挽き勝つ人がいたら。」若者たちは勇みたったけれど、結局翌日も、その翌日も、女木挽に挽き勝つ男はあらわれず、姉妹は賃金の中から男木挽一同に茶菓子代を包むと、風のように去っていきました。 男達は姉妹が使ったのこぎりの刃の目立てを盗もうと調べましたが、刃は姉妹によって跡かたもなく潰されて、仕事の秘密も名前もわからないまま。ただ掛塚姉妹木挽として伝えられているのです。 (「日本木挽史」より) |
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