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第19話 | (くろふねさわぎ) 黒船騒ぎ(福田町) |
「大変だ、黒船がこっちへやって来るぞ」と福田の前の浜は未だかってない大騒ぎとなった。今まで誰も見たことのない、大きな3本マストの黒船が現れたのである。騒ぎを聞いて集まった村人達は海岸の一際高い大山に登って相談した結果、「この浜に上陸されたら大変なことになるぞ、何とかして追い払う以外にない。」ということになった。しばらく思案した村人達は、船の荷揚場にあった大きな太い土管と折った松の枝を大山まで運び、その青葉に火をつけた。 するとどうしたことか、黒船は、沖合遠く姿を消してしまったではないか。これを見て村人達は、思わず万歳を叫び喜んだ。 村人達は、見せかけの大砲を造って脅かすことにしたのである。黒船は、黒煙を上げる土管を自分達を狙う大砲と勘違いして逃げ出したのである。 その頃は江戸幕府から外国船打払令が出ていた時でもあり、ペリーが下田に上陸した頃でもあったので、その時の村人達の驚きが想像される。 (「年中行事と昔ばなし」より) |
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