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第20話 | (おとこいどとおんないど) 男井戸と女井戸(豊岡村) |
今では豊岡村亀井戸だが、昔は下野部村本村にこんな悲しい物語が伝えられています。 昔、本村には井戸が無くて、雨水や田んぼ、谷川の水を飲み水に使っていました。この村に、おみよと呼ぶ小柄で人目を引く娘が住んでいました。 ある日、おみよが天竜川から水を汲み歩いていると、何かの拍子で転んでしまいました。すると、その弾みで水晶のような水がコンコンと湧いてきました。近くに住む亀吉という青年がおみよに好意を持ちました。やがて2人は人目をしのぶ仲となり、人の噂が立つ頃には、おみよのお腹は隠しきれず、ついに天竜川へ身を投げてしまいました。 亀吉はあまりにも突然のことで深い悲しみにくれていました。哀れなおみよの四十九のおまつりもすんだ頃、近くにまたひとつ井戸ができました。 先の井戸がおみよ井戸、後の井戸は亀吉井戸で、誰となく相愛の2人のために夫婦の井戸と名付けて、尽きない水に感謝しました。 (「豊岡物語」より) |
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