トップ > 中遠昔ばなし > 金灯籠(豊岡村) | ←前へ戻る |
第52話 | (きんどうろう) 金灯籠(豊岡村) |
それは、天竜川が海のように広かった頃のお話です。敷地村に金の灯籠がありました。高い所にあるその灯籠の明かりは、暗い夜に天竜川を越す人たちの目印となっていました。 その灯籠の近くに、番人の七兵衛さん・お母さん・お光さんの3人家族が暮らしていました。 ある日、お母さんの具合が悪くなり、七兵衛さんが浜松までお薬を買いに出かけました。すると、みるみる天気が悪くなり、天竜川は大荒れとなってしまったのです。お光さんは、お母さんの看病をして七兵衛さんの帰りを待ち、嵐の中を金灯籠に明かりを灯すのでした。 南の渡船場には、五助さんという船頭が家族と共に暮らしておりました。 嵐の夜、五助さんの家に七兵衛さんが飛び込んできました。今晩中に川を渡って、お母さんにお薬を飲ませないと、命がないというのです。あいにく五助さんは留守にしており、七兵衛さんは途方に暮れてしまいました。 すると、五助さんの息子の金次さんが渡しをすると言い出しました。強い雨風の中、不慣れな金次さんが渡しをするのは大変な苦労でした。しかし、お光さんが必死に灯した明かりのおかげで、無事に川を渡り切ることができました。七兵衛さんは、お母さんにお薬を飲ませることができました。 お光さんと金次さんは、殿様にたいそうほめられ、立派なごほうびをいただいたそうです。 (「ふるさとの土」より) |
←前へ戻る | |
COPYRIGHT (C) CHUEN AREA JOINT ADMINISTRATION BLOC OFFICE ASSOCIATION ALL RIGHTS RESERVED. ↑このページの先頭へ |