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中遠昔ばなし

第54話   (かまだがいけ)
鎌田ヶ池(磐田市)

鎌田ヶ池(磐田市)

 鎌田ヶ池は東部小学校南側にあった一周二キロにも及ぶ大きな池だったと伝えられている。今その辺りは国の農業基盤整備事業によって一面に豊かな水田地帯に変わった。昔の鎌田ヶ池はいつも満々と水をたたえていて日照りのときにも決して水枯れしなかったので、この池を水源として御厨地区は早くから農耕地が開かれていた。また人々は洞海(ドウフン)と呼んで釣り場でもあったので、捕れた魚は地区の人たちの蛋白源となっていて、この鎌田ヶ池のもたらす自然の恵みを受けて生活していた。
 この鎌田ヶ池にはこんな話が残っている。あるとき村人たちが相談して、池の水を汲みだして水の干たところで魚を捕ろうと計画した。そのときは村中総出で幾日も幾日も「かえんどり(水換え)」をしたが、水は少しも減らなかった。ところがその頃信州の葛井の池では、どんどん水位が下がっていくので、村人たちが驚いて調べたところ、南の遠州の鎌田で水を汲み出していることが分かって二度びっくりしたという。それ以来鎌田ヶ池は地の底の洞穴で信州の葛井の池に通じていると伝えられている。人々のなかにはこの鎌田ヶ池のことを遠州七不思議の一つに数えたりしている。また今でも夜など静かにしていると、地の下でコトコトと水の流れる音がするという人もいる。
 十年ほど前の発掘調査で鎌田ヶ池の北側にあたる付近に古代人の住居跡の「長江崎遺跡」が見つかった。古代人たちもこのあたりで水の恵みを受けて生活していたのかも知れない。自然が減ったといわれる現在、一面に広がる水田風景や、小川の湧き水、付近の用排水にたくさんいる小魚類などから、往時の様子が偲ばれる。

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