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第56話 | (うまのすずのね) 馬の鈴の音(竜洋町) |
磐田郡竜洋町白羽の白羽に「竜泉寺」という寺がある。 ここの境内には、「勝又様」という小さな神様が祭られている。 昔のことであった。 このあたり一帯は、荒涼とした野原である。 その野原の中で、戦いがあった。 その結果、「勝又伊豆守」という武将が、敵と戦っているうちに、乗馬の首を切られてしまったので、勝又はとうとう戦死してしまった。 それ以来、毎夜、馬の首に付けていた鈴の音が、「ちゃりん、ちゃりん」と聞こえるのである。 「あ、あんなに聞こえる」村の人達は恐ろしくなって、「あそこを通るのはいやだ」と通らなくなってしまった。 それを聞いた、竜泉寺の住職の心叟禅師は、「では弔ってやる」と早速、境内に小祠を建てて馬と勝又伊豆守をまつってやった。 それ以来、鈴の音はしなくなった。これが今、境内にある勝又様だという。 (『続々遠州伝説集』御手洗 清) |
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