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第60話 | (こだにじぞう) 古谷地蔵(豊田町) |
昔、山梨街道と秋葉街道が交わったところに、「古谷の馬坂」という坂がありました。 ある日、西の浜松から物を仕入れ、東の山梨(袋井市)へ、物を売りに行く商人がいました。商人は、いつもより遅く、日がとっぷり暮れ、辺りが薄暗くなった頃、その坂道を登っていると、馬に乗せた荷物が片方にかたいでしまいました。ひとまず道端にあった石と荷物をてんびんのように結んで、井戸ヶ谷(磐田市)にある家まで帰ることにしました。 家に帰った商人が寝ていると、真夜中、急に高熱が出て苦しみ始めました。すると、夢枕に「古谷に帰りたい。帰りたい」と泣いている地蔵さまの顔が現れました。それを聞いた家族は、持ち帰った荷物を調べてみると坂道で拾った石が、なんと地蔵さまの頭で驚きました。 家族は、すぐに、地蔵さまの頭を持って、「古谷の馬坂」の地蔵の胴の上に乗せたところ、商人の高熱はさっと下がり、元のように元気な姿にもどりました。 今でも、この地蔵は、「古谷地蔵」と呼ばれ、上気賀地区の墓地に置かれ、地域の人々によって大切に祭られています。 〈豊田町誌 別編2 民俗文化史より〉 |
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