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中遠昔ばなし

第67話   (こうぼういど)
弘法井戸(豊岡村)

弘法井戸(豊岡村)

 昔ある夏のこと、豊岡村の合代島という山間に、一人の旅のお坊さんが疲れた足で一軒の農家に立ち寄りました。
 お坊さんは、「のどが渇いたので、一杯水を下さい」と家にいたおばあさんに頼みました。しかし、おばあさんは「ここには水がないよ。下の川で存分に飲んだら」と断りました。
 お坊さんは、のどが乾くのを我慢して坂道を上っていき、次の家で「水を一杯ください」と頼みました。そこのおばあさんは、下の川まで水をくみに行き、桶一杯にくんでお坊さんに差し上げました。喜んだお坊さんは、水をゴクゴクと飲むと持っていた杖で地面に印をしました。そして「ここを掘りなさい」と言い残して、どこかへ去って行きました。
 おばあさんは、おじいさんと教えられた所を掘ると、水がコンコンと湧き出してきました。2、3日もすると立派な井戸になり、水に困っていた村人は大変喜んで、この井戸に感謝しました。
 やがて、先に水がないと断ったおばあさんの家では、代々、汚れた水に浸り、ほかの村に越していったといいます。また、旅のお坊さんは、弘法大師さんに違いないと言うようになり、この井戸は「弘法井戸」と呼ばれるようになりました。

(「豊岡物語」より)

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