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第72話 | (じろうがきのふるさと) 次郎柿のふる里(森町) |
昔、昔のことでした。太田川は長雨が続き大こう水になりました。いたる所で堤防が切れ、川の水が町中にはんらんしました。 やがて、雨もやみ、水もひいたころ、町の人たちの手で堤防をなおすことになりました。森の五軒町(現在の森町森)に住む松本次郎さんも、近くの人たちとともに働きました。 ある日のこと、川で手を洗っていると、緑の葉をつけた小さな柿の枝を拾いました。次郎さんは、それを家の庭にさし木しました。 それから数年後、これまでの柿とは少し形のかわった実がなり、食べてみると今まで食べたことのない甘さでした。次郎さんは、大喜びで近所の人にもわけてあげました。柿をもらった人たちは、その味のよさに枝をもらってはつぎ木しました。やがて、この柿を作る家は森町だけでなく近くの村や町に広がり、いつの日からか、この柿を次郎柿と呼ぶようになり、今では森町の名産に数えられています。 次郎さんが拾って育てた柿の木は、現在「次郎柿の原木」として静岡県天然記念物の指定を受けて、五軒町で大切に世話され、毎年秋になるとおいしい実をたくさんつけています。 森町の次郎柿は、毎年、天皇陛下に献上される柿としても有名です。 (「森町ふるさとの民話」より) |
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