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第77話 | (ごんげんもり) 権現森(磐田市) |
四百年の昔のことである。 浜松城の徳川家康は、今の磐田市白羽(しろわ)を、数人の従者を連れて歩いていた。と、武田信玄の軍にぱったり出会った。 『これはいけねい』 家康は逃げて、近くの白羽神社の西に続く、こんもりとした森の中にかくれた。 この白羽神社は、それより何百年か昔から、 『倭建命(やまとたけるのみこと)と、長白羽命(ながしろわのみこと)』 をまつる、古い社である。そしてこのあたりの海岸の松林では、牛馬を放牧していて、毎年その牛馬をこの白羽神社の神官が捕らえて、大和の朝廷に献上しているという、由緒ある所であった。 家康はこのお宮に、『無事に遁れ(のがれ)させ給え』と、祈願していた。 お陰で武田の軍は、家康を発見するに至らず、どこともなく立ち去ってしまった。 その後ここの森を、家康のかくれた事から、『権現森』というのであった。 家康のことは、後に、『東照宮大権現』と祭られたから、権現というのである。 (出典「家康伝説」) |
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