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第120話 | (かにがいけ) かにヶ池(森町) |
森町の東の方に、「戸綿(とわた)」という地区があります。 この地区には、低い山があって、掛川から森町に入るあたりの県道は、切り通しになっていますが、むかしは「戸綿峠(とわたとうげ)」という峠をこしてきました。その峠を少し下った所に「かにヶ池」があります。 むかし、この池に大きなかにが住んでいました。そのかには、こうらの大きさは三メートル近くもあり、そのこうらには水草が生えていました。 あるとき、そのかにがあらわれて、池のほとりで草をかっていた女の人の手をはさみ、池の中に引きずりこみました。 「キャー、助けてー。」 と大声でさけんだので、近くの人たちがかけつけましたが、そのときはもう、女の人は、ころされた後でした。 それ以来、村の人たちは、この池を「かにヶ池」といい、近よるのをおそれました。 その後もかにが、岸に出て遊んでいたのを見た人や、大きなはさみを池の中から出しているのを見たという人もあったといわれています。 (「森町ふるさとの民話」より) |
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