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中遠昔ばなし

第129話   (はなたてちゃや)
花立茶屋(森町)

花立茶屋(森町)

 当地は、一の瀬から田能(たのう)に至る中ほどにあり、往事は旅人の行き来でにぎわっていた。
 花立家(はなたてけ)は、昔から茶屋を営むかたわら、馬のよる生活物資の輸送などを、明治初年まで家業にしていたということである。
 元禄(げんろく)四年には、名字帯刀(みょうじたいとう)を許され、代々の当主は、花立孫四郎(はなたてまごしろう)を名乗った。花立姓の由来(ゆらい)は、この家の前を何時(いつ)通っても、いろいろな花が咲いていることから、時の代官(だいかん)が感心し、花立姓を与えたということである。
 十返舎一九(じっぺんしゃいっく)の名作「東海道中膝栗毛(ひざくりげ)」のもじり「秋葉街道似多栗毛(にたくりげ)」には次のような狂歌(きょうか)がうたわれている。
 “馬に乗り駄賃おこせとさかしまに落ちてお客はしりを花立”

(戦国夢街道「花立茶屋」説明看板より)

戦国夢街道「花立茶屋」跡地   「花立茶屋」説明看板
戦国夢街道「花立茶屋」跡地   「花立茶屋」説明看板

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